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2023年12月18日16:30

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突っ張ることが男の勲章〜追悼・元関脇寺尾

千代の富士に吊り落としで思い切り土俵に叩きつけられたり、18歳貴花田の快進撃を止められず人前はばからず悔しがったり、なぜか負けた相撲のほうが強く印象に残っている。それだけ激しい相撲を取っていたということか。数年前の春場所では木戸口でチケットもぎり担当、握手込みでにこやかに対応していただいたことは忘れられない。

かっての会社の同僚から聞いた話。大相撲一行パリ巡業の歓迎パーティー、パリ駐在員だった彼は乾杯用に配られた酒桝に力士からのサインをもらうべく会場内をウロウロ、やがて贔屓の寺尾を見つけてサインをねだったとき、すでに酒桝の周囲は他の力士たちのサインで一杯、残るスペースは酒桝の裏側、底の部分しか残っていなかった。

大胆にも彼はその場所にサインをねだる。すると寺尾は「土がつくところに名前なんて相撲取りに縁起でもない」ときっぱり断ってきた。仕方なく人格者で知られるある力士にお願いしたら丁寧にサイン。ただこの力士はその後周囲の期待ほどには出世せず、「やっぱり勝負師は違うよな」と同僚の彼はますます寺尾が好きになったとのこと。

このとき大相撲一行のショッピングタイムはパリ三越全館貸切り。店員のパリジェンヌたちがもっともカッコいいと騒いでいたのが寺尾だったという。そういえばロンドン巡業のときも現地女性の一番人気は寺尾だったと相撲雑誌で読んだ。その理由が「エルヴィス・プレスリーみたいだから」とは英国人にしかわからない感覚かも。

どうでもいいことばかり書いてきたのでついでに僭越なこと。私と弟の生年/年齢差は逆鉾・寺尾兄弟にまったく同じ。顔つきは双方全然似ていないが”イケメン度数”みたいなものは相似形かと。謹んでお悔やみ申し上げます。中継解説のさい、愛弟子・阿炎にたいする厳しくも的確な言葉はいつも心に響きました。安らかにお眠りください。
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