岩井俊二監督最新作品。歌うことでしか声を出せないという路上ミュージシャンのキリエ(アイナ・ジ・エンド)は、ある日イッコと名乗る奔放な女性(広瀬すず)から声を掛けられる。キリエのマネージャーに名乗り出た彼女、ギクシャクしながらもふたりの共同生活が始まった…。原作・脚本も岩井俊二、音楽はもちろん小林武史。
ふたりの音楽活動をメインとしながらも、舞台は2013年の大阪、そして2006年の帯広と目まぐるしく変わる。現在と過去を好き勝手に飛び越えるだけでなく、人間関係も二役をからめたりしてややこしく、観る側はどこかすっきりしないまま長丁場と付き合っていく。私もまだすっきりとはしていないが178分はまったく長く感じなかった。
”作家性が強い”という表現にいつも思い浮かぶのが岩井作品。今回ももっと音楽活動だけに集約しろ、大阪あるいは東日本大震災の部分は要らない、などという声が聞こえてきそう。ただリリカルな岩井ワールドにどっぷりハマる者は、謎解きのような人間関係を内包したこの178分に、いつまでも浸っていたいのだろうと思う。
個人的な期待だった鈴木慶一と水越けいこの出演。こちらの想像をはるかに超えるとんでもない登場に思わずのけぞってしまった。これはまた日記にします。またまたなじみのある場所でのロケ(かって入院した病院もくっきり)、ことし6月に訪れた石巻の町も舞台となり、なにやら個人的にはとても親しみを抱く作品となりました。
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