2011年ニューヨークの単身者用アパート。心臓に疾患を持つ70歳の黒人男性ケネス・チェンバレンが医療用通報システムを誤って作動させてしまうと、3人の白人警官が安否確認のためやってきた。ケネスは単なる誤作動と主張、警官たちの入室をかたくなに拒否すると、彼らの態度はだんだんと高圧的なものに変化していくのだった…。
窓の外が真っ暗なうちから物語は始まり、悲劇的な結末を迎えたとき部屋には朝日が差していた。実際にあった事件と同じ時間で推移していく90分のリアルなサスペンス。なのでサイドストーリーや余分な伏線などいっさいなく、観る側は絶えることのない緊張感につつまれたまま、救いようがなく重苦しい結末を味わうことになる。
駆けつけてきた3人の白人警官のキャリアやキャラ設定に明確な違いがあり、この差異が物語をふくらませる要素だろうと誰しも想像がつく。このいびつな三角関係をしばらく味わいたいと思ううち、やがては応援の警官たちが駆けつけ、さらに何人かのアパート住人が加わると、ヒステリックな群衆心理がそこに加味されていく。
”潜在する差別意識や先入観、偏見のうえに事実誤認が重なりもたらされた悲劇”〜このテーマから誰しも思い浮かべるのは「福田村事件」のはず(くしくもシネリーブル梅田では同じフロアで上映中)。製作総指揮モーガン・フリーマン、やがてはブラック・ライヴズ・マターを引き起こす自由の国アメリカの悲しい真実がここに。
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