「イン・ザ・ブルー・ライト」から5年ぶり。ベテラン勢のなかではコンスタントにオリジナル作品を発表している印象があるも、ちょっと前に引退宣言がなかったっけ。原題は「Seven Psalms」、旧約聖書「詩篇」をモチーフ、信仰に関する自分自身との7つの対話、1曲目タイトルが「The Lord」とはなかなか手ごわい雰囲気。
全編弾き語りによる7つの組曲。ポールの歌声とアコギの音色だけがすぐ目の前から聞こえてきて、弦楽器や打楽器は響いているものの、かなり後方待機の印象。よくフォークの世界のひとたちが、ギターを爪弾きながら即興でメロディを紡ぎ歌詞を気ままに乗せていくことがあるけど、まさにそんな感じで切れ目なく続く33分3秒。
そしてプリンス「LOVESEXY」のように、CDプレイヤーにはトラック区別なくトータル1曲と表示。さらに6曲目と7曲目のあいだに隠しトラック(ブックレットには歌詞掲載)が挟まっているからやっかい。いや、なによりもやっかいなのは各楽曲がさほどメロディアスではなく、あくまで歌詞を味わうことに重きを置いているような。
思い出したのはやはり旋律にあまり起伏のないボブ・ディラン最近作「ラフ・アンド・ロウディ・ウェイズ」。ただこれはディランの本領というべきもの、ポールの場合はその味わいあるメロディとサウンドのアンサンブルが魅力だったはず。SSWというもの、年輪を重ねるとやはり言葉優先か。ちなみにポールとディランは同い年です。
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