ニューヨーク近郊で育ったポールはアートの世界に興味を持つ12歳。気の合う友人は黒人ジョニーひとりという学校生活にはなじめず、教育熱心な母親(アン・ハサウェイ)や感情の起伏が激しい父親(ジェレミー・ストロング)はウザい。そんななか優しく接してくれる唯一の存在が祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)だった…。
時代設定は1980年。政治やカルチャーのみならずささいなアイテムから流行語まで、背景には当時の状況がふんだんに。当時”まだ”コレは残っていたのか、あるいは”もう”すでにコレはあったのか…観る側はしみじみとしながらも、40年の時を経たいま学校教育や人種差別の様相はどこまで変化を見せたのだろうかという思いにもかられる。
最後に大きなヤマが待ってはいるが、そこにいたるまではわりと平坦、名優の名演技〜祖父アーロンの存在感のみに引っ張られたというレビューがいくつか。たしかにポールの眼を通して白人中流家庭の日常を淡々ととらえた印象はあるものの、背景となる歴史的事実や当時の政治状況をふくみ合わせて味わうとけっして退屈な物語ではない。
原題と同じタイトルを持つロック楽曲が流れた、そして実在する著名人(の一族)が登場しある女優がカメオ的に演じていた〜どちらもスクリーンに対峙しているときは気がつかずあとから知ったこと。1969年生まれジェームズ・グレイ監督の実体験がベース、彼が残したかった社会的メッセージが随所にあふれた秀作だと思います。
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