ナイキ社「エア・ジョーダン」誕生の物語。80年代中盤におけるバスケットシューズのシェアはアディダスとコンバースが圧倒的、大きく遅れをとっていたナイキ社のソニー(マット・デイモン)は、NBAデビュー前の新人マイケル・ジョーダンに目をつける。監督/製作はナイキ社CEO役として出演もするベン・アフレック。
冒頭から当時のアメリカ世相がテンポよく映し出され、バックに流れるのは勢いのいい80’sヒット。誰もがその結果を知っている、アメリカを代表する企業のサクセスストーリーは、気の利いたジョークと賢人の言葉を引用しつつやりとりする一流ビジネスマンの世界。これぞアメリカ映画というべき口当たりの良さが心地いい。
ただ、マイケル・ジョーダン自身へのアプローチや、終始母親が前面に立つハードな契約交渉に重きが置かれていて、革新的商品「エア・ジョーダン」はいきなり完成を見た神々しいものとして登場、製作過程はあまり描かれていない。靴職人は魅力的なキャラの持ち主だっただけに、その部分をもう少し掘り下げてほしかった。
おなじみの80‘sヒットはラストシーンまでほぼ途切れず流れ、物語のテンポ作りに多大な貢献。モデルとなった人物に合わせたのか中年太り役も辞さないマット・デイモンには好感。80年代を過ごしたアメリカ人にしかわからない、ポップカルチャー寄りの小ネタがもっと埋もれているに違いない、情報量の多い秀作となりました。
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