ノーマルな音響空間で観たのだけど、幕開け早々3分でこれは追加料金を払ってでもIMAXの大スクリーンで観ればよかったと後悔。でもしばらくするとそんなことはすっかり忘れてめくるめく音と映像の渦に没入。デヴィッド・ボウイの足跡をたどるドキュメンタリー。制作はこんなところにも顔を出すのかライヴ・ネイション。
既存の音楽ドキュメンタリーのような周辺人物へのインタビューは一切なし。足跡をたどると言いつつもすべて時系列に忠実というわけではなく、細かく編集された映像はけっこう時代を行ったり来たり。そして楽曲の並びはさらに時代を無視、意外かつ巧いなと思わせる全体の流れは、聴き倒したはずのボウイ楽曲を新鮮に響かせている。
ポスターの色使いが語るように、「エブエブ」に対抗したかのようなきらびやかな色彩感覚。ただそのグラマラスな色合いがすこしだけ落ち着くのは日本にふれたパートにたどり着いたとき。ふだんこちらがよく訪れている京都のお寺がきっちり登場、そしてある年代以上の音楽好き関西人にとってはなじみ深い人物が一瞬顔を出す。
上映館はシネコンばかり、「週刊文春」シネマチャートはけっこうな星の数。ひとつの映画作品として評価されているわけで、いつのまにボウイはここまでの存在になったのかと思う一方、定型的なドキュメンタリーではないだけに、あまりボウイを知らないひとはどこまで彼を理解できるのかという、複雑な思いも湧き出た作品でした。
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