”2022年6月 9ヶ月前のハプニング”と題された新譜は、前作「It's the moooonriders」からわずか11ヶ月という短いインターバル、なにしろ前作は11年ぶりのオリジナルアルバムだったのだから。昨年3月の日比谷野音ライブから3ヶ月後、スタジオに集合したメンバーは2日間にわたり勝手気ままに音を鳴らし続けたのだった。
そう、老境に入った男たちの勝手気ままなふるまいといった印象。まったくの即興音楽、インプロヴィゼーションの連なり。いちおう6曲仕立てでそれぞれにタイトルがあるものの、まるで抽象絵画のそれのように、その意味に納得するまでくりかえし聴く必要あり。とりあえず2曲に歌詞、ただしそれらはポエムリーディングのようなもの。
たしかに5年にわたる活動休止以前から、ライブではけっこう即興っぽいことを繰り返していた彼ら。”プログレッシブ・ジャズ”などと表現された前作でも自由奔放なイメージはあったけど、さらにそれを進化(完成された曲作りという意味では退化?)させ、もうこのトシなんだから好きにさせてくれよという声が聞こえてきそうな全体像。
誰かがメロディらしきものを奏でると、別の誰かがそれを壊しにくるという格闘技的イメージ。おそらくフリージャズに詳しいひとなら、この音のぶつかりあいを巧く言葉で表現できるはず。ちょうどひと月前、73歳の人生を終えて月に還っていった岡田徹氏もしっかりとこの闘いに参加、あらためて氏のご冥福をお祈りしたいと思います。
ログインしてコメントを確認・投稿する