多くのCDジャケットを手がけたアートディレクター・信藤三雄氏の訃報にふれてしばし。一般的な媒体では「ユーミン、ミスチル、サザン、SMAPなどのCDを手がけた…」という文言がならんでいて、まあこれは仕方がないと思うけど、氏がその才気を最大限に発揮したのは、やっぱりピチカート・ファイヴ作品のCDアートワーク。
昨秋、CD誕生40周年のさい日記でふれた《世界で初めてCDトレイを透明にし、その下にフォト等の意匠を凝らしたのが「女王陛下のピチカート・ファイヴ(1989)」》(フォト左)、ここからCDジャケは単なるソフトの入れ物あるいはLPジャケの縮小版ではなくなり、ひとつのアート作品として確立、信藤氏にとっても転機の一枚。
それ以降ピチカートの新譜が出るたびに、CDジャケの趣向には驚かされることばかり。ウチのCDラックにおいてもそれらがすんなりと収まることが少なく、彼らの作品がならぶ部分だけがヘンにゴチャゴチャ。さらに材質もさまざまに凝っているので、いまでは色あせがしたり、質感がすっかり劣化してしまっているものも。
【《信藤三雄Xピチカート・ファイヴの作品(フォト右)》右上〜全体をおおう透明カバーが劣化、変色。ブックレットは円形。右下〜本来の裏ジャケ面を表に、キャップ(帯がかぶる部分)がなくフォトが大きく。左上〜あえて逆説的にトレイもふくめ真っ白なケースに。左下〜ブックレットがひとまわり小さいので製作ミスかと】
つまりそれだけ信藤氏による斬新なアイデアが、ピチカートの作品にはいくつも盛り込まれたということ。先日は雑誌編集者として出版文化に貢献してきた目黒孝二氏も鬼籍に。媒体の先頭にいた存在の旅立ちが、衰退する文化に追い打ちをかけるよう、やがてそれは地上波テレビなどにもおよぶのか…などと思うと寂しい限りです。R.I.P.
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