ビルボードライブのHPにはアデルやエイミー・ワインハウスの系譜に連なり、さらには“ジャズ界のグレース・ジョーンズ”と。幅広い集客を狙うのは理解できるが、ここまで大ざっぱに風呂敷を広げられるとかえって…。L.A.ベースに活躍、ドイツで人気なのか、来月は独国内をくまなくツアー、Wikipediaも独語版だけ。年齢不詳。
そんなウダウダな小ネタも、彼女がひと声発したとたんいっぺんに吹き飛んでしまった。ややハスキーな低音にておそるべき声量。ポップ・フィールドでムリヤリ探せば落ち着きのあるティナ・ターナーといったところか。ボディコンシャスなワンピースに身を包み、スローテンポでブルージーな雰囲気の楽曲がえんえん続いていく。
ブルージー。ふだんあまりこういう音楽を聴かないこちらはこの言葉以外に思いつかない。洋楽に目覚めた中高生のころ、映画のワンシーンやテレビで垣間見たステージ、”大人になったらこういう音楽を聴くのだろうか“と感じたまさにその雰囲気。もはや“大人“という時はとっくに過ぎ、BBLの空間だけにはどっぷりとなったけど…。
いまどきどこまで意味を持つのかわからないけど、シングルカット曲だけはややキャッチー、とはいえメロディアスとまではいかず。たまたま商業的な成功を手にしていないだけ、欧米には彼女のようなシンガーがごろごろしていて、日々世界のいたるところで歌っているのだろうなあと、その歌唱力に圧倒されるばかりの夜でありました。
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