瀬戸物発祥の地近く、愛知県の山中で窯業にひとり勤しむ神谷誠治(役所広司)。近隣の巨大団地には約3000人のブラジル人が在住、そのひとりマルコスと知り合った神谷は、アルジェリア駐在から一時帰国していた息子・学(吉沢亮)と彼の婚約者ナディアとともに、ブラジリアン・コミュニティ主催のパーティーに招待される…。
地元の半グレ集団そしてそこからつながる地域暴力団との果てしなく続く諍い、若いブラジル人たちは窮屈な思いのまま日本での生活を余儀なくされている。なるほどこれは初老に差し掛かった神谷の目を通して、いま日本各地に点在している外国人コミュニティとのつながり、その諸問題をとらえていく作品かと中ほどまでは解釈する。
ところがある事件の勃発を境に、神谷は無謀とも言える行動にいきなり出る。このあたりから観る側の気持ちはいっぺんに彼に奪われてしまい、ブラジル人との諸問題を一時的ながら物語の隅っこに追いやってしまう。そしてすべてを一気に収束させるダイナミックな結末、観る側はタイトルの意味をしみじみと噛みしめることになる。
終盤は実によく練られているなと感じた脚本はオリジナル、監督は成島出。新作映画の主演男優が役所広司と知ると、また彼かいな、邦画界には他におらんのか…とグチりながら、観終わったあとにはやっぱりこの役は彼でないと思わせるいつもながらの熱演。ことしを代表する日本映画、早くもここに1本目ありという印象です。
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