英国ウェールズの田舎町で単調な日々をくりかえすジャン(トニ・コレット)、ある日レジ打ちパートの合間に覗いた競馬雑誌の広告に触発され、彼女は競走馬飼育を決意し繁殖牝馬を購入、生まれた仔馬の共同馬主となるよう村民たちに声をかける。やがて成長したその馬に初レース出走の日がやってきた…。実話をもとにした物語。
そう、これがわずか10年ほど前に実際あった出来事だというから競馬好きは驚くとともにいろいろツッコミたくなる。正直なところこれは演出、ここまではないやろうと重箱の隅ばかり探したりもする。一方で彼我の競馬文化の違い(競走馬育成や競走形態、競馬ビジネス)をこの作品から味わえるのも競馬好きの特権だと思う。
“地方の労働者階級集団が大きな目標に向かってひとつになる”という、過去名作をいちいち挙げずとも英国映画お得意のヒューマンドラマ。裏切られることはけっしてなく、最初から着地はほぼ読めていながらそこにどっぷりと浸る心地よさ。特記すべきはトニ・コレット円熟の好演、そのさまざまな表情を観ているだけでも値打ちあり。
後半に進むにつれウェールズ色が強まっていくのが興味深く、エンドロールでモデルとなったご本人を映し出すという実話もののおきまりも、今回はちょっとした工夫が凝らしてあり楽しかった。競馬好きでなくても楽しめるかどうかは競馬好きだけにかえってわからないけど、個人的にはことし最初の1本にふさわしい作品となりました。
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