前夫との子・6歳の敬太を連れて二郎(永山絢斗)と再婚した妙子(木村文乃)は、多少の不安を感じながらも郊外の団地で平穏な日々を過ごしている。ところが家族の身に起きた不幸な出来事がきっかけとなり、行方不明だった聴覚障がい者の前夫・韓国籍のパク(砂田アトム)が妙子の前にすがたを現す…。監督は「淵に立つ」の深田晃司。
二郎と妙子の職場における人間関係、あるいは向かいの棟に住む二郎の両親(田口トモロヲ・神野美鈴)との諍いが発端となり綻びが崩れていく前半から、後半は会話に手話を混じえながら、二郎・妙子・パクが形成する三角関係が物語の中心軸、ただこの三角形それぞれが大いなる揺らぎを見せ、観る側がややあきれ気味となることも。
このシリアスなドラマの主演が木村文乃と知ったときは意外な印象。これまでの彼女ってどちらかと言えばライトな脇固めというイメージ。今回さすがに見事なハマり役とまでは言えないが、悲劇に直面し気持ちが暴走していく様を熱演。あと脇役といえば山崎紘菜ちゃん、女優としての生きる道はやっぱりこういうキャラになるのかなと。
終盤の展開はまったくの予想外、郊外の団地つまり近隣社会のなかで起きるパーソナルな出来事に終始するかと思いきや、意外な広がりを見せたから驚いた。人間関係のアヤに感じたのは濱口竜介作品や今泉力哉作品にも共通する匂い。作品タイトルは監督がインスパイアされたという矢野顕子楽曲から引用したということです。
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