mixiユーザー(id:2399973)

2022年04月29日15:50

240 view

「ツユクサ」〜スローライフは前向きに

50歳を目の前にした芙美(小林聡美)は西伊豆にある港町のタオル工場で働く毎日。同僚の直子(平岩紙)と妙子(江口のりこ)とはお互いに好き勝手なこと言い合える仲良し3人組。たいしたことは何も起きない小さな静かな町でも何かは起きる…。女性監督作品のような雰囲気が漂うもメガホンを取ったのは「愛を乞うひと」の平山秀幸。

予告編やチラシで取り上げられているメインキャストは芙美と中年男性の吾郎(松重豊)のふたり。なので観る側はだいたいのストーリーが先読みできるも、物語は性急に核心まで到達することはない。遠回りをしながらゆっくりじっくりと進み、それはまるですぐに答えを求めがちな都会人を戒めているようにも思えてくる。

時間をかけながら、芙美の過去を始めとする物語の伏線がいくつか散りばめられる。そしてある登場人物の「この町はひとの噂だけでご飯2杯おかわりできる」という言葉通り、濃密な人間関係が行き交う小さな社会のおかげで、このキャラとあのキャラがやがてはカラむんじゃないかという観る側の想像力が物語への興味をつないでいく。

人生半ばあるいはそれ以上に達しようとするひとたちに、日々生きていく活力を注入しようとするのが主目的の作品なので、ビターな展開に終始するわけがなく、昭和の名曲をBGMにしながらエンドロールが流れたとき味わうのは混じりけのない爽快感。けっして皮肉や嫌味ではなく実に前向きな人生肯定作品だと思います。
25 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2022年04月>
日 月 火 水 木 金 土
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930