フランク・ザッパの人生をたどったドキュメンタリー作品、と聞くとはてしなく好奇心はふくらむ。名前だけはやたらと有名な米ロックミュージシャンというより音楽家。ただ独創性あふれる膨大な作品群を熱心に聴いたことはあまりなく、一歩踏み込んだ彼自身に関してもほとんど知らず。ここにきて格好のガイダンス到着ということ。
よくこれだけの豊富な映像・画像・音源が残っていたなというのが第一印象。52歳の若さでの永眠が1993年、つまり世の中がデジタル化する時代以前のアーカイブ。クオリティはけっしてよくないし、編集に関してもひたすら丁寧だった先日のスパークス作品にくらべるとずっとラフ(ここで”大ザッパ”などというクリシェは無視)。
商業性をまったく無視してきた存在だけに露出があまり多くなく、ひとつひとつのシーンがとても貴重に感じられ、もうすこし観ていたいと思う間もなくぶった切られたことも何度か。もちろんかって彼を取り巻いたミュージシャンも何人か登場、こちらの無知を棚に上げつつ、ジャンルを超えてそこにはけっこう意外な顔が。
そしてこれまたファンには何をいまさらと言われそうだけど、彼の人生終盤における、いち音楽家を超えたスケールの大きな展開は、ふだんはスタジオにこもり、ステージに立てば奇妙な即興をくり返す、といった彼に対する見方がすっかり変わるもの、結局ますます彼がわからなくなってきたというのが今回の正直な感想かもしれません。
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