仏アパルトマン上層階、エレベーターを挟んでお向かい同士に暮らす、中高年から老境の域に入ったニナとマドレーヌ。ふたりの女性のあいだには家族にも打ち明けられない秘密があった。それは長らくの恋愛関係にあるということ…。仏独ベテラン女優同士の熱演、原題はシンプルに「Deux」、英題は「Two of us 」。
余生はそろってイタリアに移住、ローマでの日々を夢みるふたり。もちろんこの件も家族には秘密のまま。住まい(ダイニングテーブルの向こうにキッチン、日本家屋っぽいアングルがあり興味深い)売却のため不動産屋を招くそのさなか、マドレーヌの身にとんでもないことが起こり、ふたりの関係性や彼女を取りまく周囲の環境は一変する。
このあたりからマドレーヌの娘や周辺の女性が絡んできて、観る側は気が強く自己主張に長けたフランス人女性気質、必要以上にトゲトゲギスギスしたやりとりを嫌というほど味わうことになる。彼女たちの心象風景を反映するかのように、スクリーンはほとんど暗いまま、さらにジメッとした空気が漂い続けているような感触も。
“フランス人気質x高齢者同士の同性愛”という難題に挑んだ作品、イライラつのる苦い時間が多くを占め、95分の短尺ながら作り手と観る側の持久戦的側面もあり。ただ陰影をうまく活用しサスペンス的要素も盛りこんだ演出の巧さには唸らされることしばし、脚本も担当した新鋭メネゲッティ監督はこれが初長編作品とのことです。
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