80年代に養子として米南部に引き取られた、韓国生まれのアントニオ(ジャスティン・チョン)はタトゥー彫師。ときおりハメを外しながらも妻キャシーとその連れ子ジェシーとの3人、ルイジアナの片隅で暮らす日々。ところが警察との諍いがもとで逮捕され、彼自身の養子縁組書類に不備が発覚、いきなり国外追放命令が下される。
実際に多くの韓国系移民がおなじような目に遭っている現実を訴えるべく、ジャスティン・チョン(村上春樹と濱口竜介を足して2で割ったような顔立ち)は監督・製作・脚本も担当してこの作品に着手。リアリティを前面に押し出すべく、逆光・水滴・手ブレ・レンズの曇りもいとわず、ホームビデオで撮ったような生々しい映像が続く。
とはいえ劇映画的味わいも満載。ときおり挟まれる幻想的な風景や物語のスパイス的存在であるベトナムからの移民女性、そしてなによりジェシー役の女の子の熱演には胸を打たれる。あまり”いいひと”は出てこず、警察のふるまいを始め米社会のダークサイドばかりを見せつけられたようで、重苦しい気持ちにも引きずられてしまうけど。
”青い入江”というタイトルはこの作品をおおきく包む象徴。ただアントニオの心情によって色彩に変化が生じるのが興味深い。そしておおかたのひとが連想するのはロイ・オービソン/リンダ・ロンシュタットの名曲。物語と歌詞の内容に通じるところがあり、いかにこの作中に活かされているかは観てのお楽しみということにしておきます。
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