1964年東京五輪にて金メダルを獲得した女子バレーボールチームを追ったドキュメンタリー。監督はジュリアン・ファロという1978年生まれのフランス人、したがって分類上は仏映画。若さ欧州人の眼には、ある年齢以上の日本人すべてに刷り込まれているこの国民的偉業がどのように映っているのか、という点が最大の観どころ。
いまや80歳前後と思われる“魔女”たちが円卓を囲んで会食、ど根性が要求されシゴキに耐えた当時を回想する場面から物語は始まる。このシーンはおりおりに登場し、カメラはまるで回転レシーブのように円卓の周囲を何度となく廻る。やがてカメラはひとりの魔女の現在の生活ぶりを追うが、オリジナルの映像はこのあたりまで。
東京五輪の決勝戦をはじめ過去のシーンは、すべて既存の記録映画作品を編集、ある高貴なかたの美しいお姿や日本では有名なアニメ作品を随所に織り込むことによって物語にメリハリをつけている。世界に向けてこの偉業を紹介する以上、背景となった当時の日本社会にも触れざるを得ず、観る側は戦後史の断片をも味わうことになる。
日本人にはいまさらな、わかってはいても感動を禁じえないラストシーンには、あまりなじみのないメロディ、ここらの選曲はやはり欧州人のセンスかと。ただその分エンドロールでは日本人にはとてもなじみ深い歌声。多少面はゆい気持ちになりながらも、いまの日本人にとっては遠くにある存在、昭和のスポ根風景が味わえる一作です。
ログインしてコメントを確認・投稿する