産業廃棄物から発生する発がん性物質によって人体や畜産物をむしばみ続け、その事実を40年間も隠ぺいしていた大手化学メーカー・デュポン〜超巨大企業(日本でいえば旭化成や東レ)に確固たる信念をもって立ち向かった企業弁護士ロブ・ビロットの物語。監督は「キャロル」「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズ。
ロブを演じたのは、環境活動家でもあり今回はプロデューサーも兼任したマーク・ラファロ。かっての野性味はやや後退しながらも、情熱を内に秘めた正義感をうまく体現。そしてその妻サラにアン・ハサウェイ、こちらもこれまでになく生活感にじみ出る役柄ながら、迫真のキメゼリフがいくつか用意されているのはいかにも大女優。
とにかくデュポンという巨大企業の暗部を正面突破する米映画の力強さと健全性に敬服。まちがいなく映画産業とも根深くつながる企業、ある意味政治の世界に切り込むより勇気がいるはず。これが日本映画であれば、まず”過去実際にあった事件を基に”などとベールで包み、企業名等はすべて架空の名称、あとは観る側の想像力に依存…。
大きな権力にひとり立ち向かう弁護士…いままで何度となく観てきた設定ながら、闘うロブの孤独と苦悩にはやはり心を寄せてしまう。ウエスト・ヴァージニア州が舞台ということで、中盤である有名曲が流れるけど、ここまで重く虚しくこの調べを聴いたことはいままでなかったなと、それだけ苦みばかりが先行する物語だということです。
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