英国田舎町育ち、60’sファッションに憧れるエロイーズは、ロンドン・ソーホーにある服飾専門学校に入学。寮生活がうまくいかず、仕方なくアパートでのひとり暮らしを始めたとたん夢の中では60年代にタイムスリップ、歌手を目指すサンディという若い女性と出会う。監督は「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト。
きらびやかなロンドンの過去と現在をを夢うつつのままさまようエロイーズとサンディ。ふたりはまったくの別人格なのか、エロイーズが理想とする女性の具体化がサンディなのか、あるいは作り手が観る側の視点をエロイーズに設定したのか…このあたりが実にあいまいであると同時にそれはこの作品の味わいどころでもあると思う。
ただし、ある時点からのホラー風味が思ったより強すぎて、謎解きへの興味をふくめ、私自身は物語後半やや醒めた気分のままラストを迎えてしまった。それまでは、もしこれを日本でリメイクするなら、昭和歌謡大好き少女が田舎から東京に出てきて、主演は上白石萌音で東宝映画で…などとノーテンキなことを考えていたのですが。
過去も現在も、やたらと情報量の多いアングルが連鎖するのはこの監督の特徴。とりわけスウィングしていた1960年代ロンドンの雰囲気は十分魅力的、次々と流れる当時のベタな流行歌は実にクール。1曲だけ70年代ロンドン・パンクの楽曲が流れたような気がしたけど、これぞエドガー・ライト・マジックにかかった幻聴だったのかも。
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