多くの賞に輝くブロードウェイ・ミュージカルの映画化。友人・家族とは距離を置き孤独な日々を過ごす高校生エヴァン・ハンセンは、セラピー目的で自分宛ての手紙を書き綴る毎日。あることからその一枚が同級生コナーの手に渡り、思いもよらない出来事の末にエヴァンは周囲に大きなウソをつき続けることになる…。
いきなりこんなことを言うと身も蓋もないので戯言と思っていただいていいけど、ミュージカルである必然性がどこにあるのかと。ふつうに“SNS社会を背景にした地域社会と家族の物語”として、もっと深みのある人間ドラマに転化できる可能性もあったような。逆に一般的なミュージカルを期待するひとにとっては物足りなさが残るかも。
監督スティーヴン・チョボウスキーは前作「ワンダー 君は太陽」で評価を高めたけど、あまりにもお人好しな着地ではという声もあった作品。今回もけっこういい暮らしをした物わかりがいい好人物ばかり登場。ジュリアン・ムーアとエイミー・アダムスという、いかにもアメリカ中産階級の主婦的な女優を配しているし。
ただ、実際に孤独と闘うつらい日々を過ごしているひとにとっては、このくらいの口あたりのほうが、それこそセラピー効果があるのかもしれない。エンドロールが終わったあとにはそれなりのメッセージもあったし。ミュージカルというからにはやっぱり歌唱のアンサンブルやダンスシーンをもっと観たかったというのが正直な感想です。
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