ニューヨークでは立ち寄らなかった。MoMAとその前日に訪れたボストン美術館でけっこうお腹いっぱいになったから。ところがこのたび日本初公開46作品ふくむ巨匠の名画65点がわざわざウチの近所までやってくると。METにおける西洋絵画のコレクションは2500点を超えるというから、その3%にも満たないけど。
ついでにふらっと立ち寄った風を装いつつ当日券窓口に行くとけっこうな行列、いつでも来れまっせ的に「何時ごろが空いてますか?」と訊くと「まだ始まったばかりなのでなんとも…」とのご返事でこのさい突入。この美術館にもっとも訪れていたのは小学生のころ、なので校外学習課題レポート的に印象に残った4点を。
◎音楽家たち/カラヴァッジョ 1597年《日本初公開》
ポスターやチラシ、ヴィジュアルテーマになっているので、今回の目玉だろう。4人の若者はそろって不安げな表情、まるでライブハウスの楽屋で出番を控えたインディーズバンド、いつになったらメジャー契約できるのかといった面持ち。
◎髑髏と羽根ペンのある静物/ピーテル・クラース 1628年
17世紀オランダが得意とする超写実。当時のオランダは世界有数の大国、技術立国でもあったからこそリアリズムの追究に勤しんだのでは。それはまるで20世紀終盤の日本がブラウン管の解像度で世界の先端を走ったかのように。
◎二人の姉妹/ジャン・オノレ・フラゴナール 1769-70年ごろ
ふたりそろってなにやらズルいことを企んでいるかのような雰囲気、その目つきは、市川実和子・実日子姉妹を想起させた。そして全体的にふんわりゆったりした淡い色あいのお召し物、こちらは阿佐ヶ谷姉妹を連想した。
◎マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)/マリー・ドニーズ・ヴィレール 1801年 《日本初公開》
今回もっとも魅せられた、というかこの作品だけがとても異質なものに思えた。鋭い視線を向ける女性の髪型や顔立ちのせいか、それとも光と影の具合か、197〜80年代に描かれたと言っても信じてしまうモダンな印象。ぜひご覧ください。
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