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2021年09月10日16:00

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「浜の朝日の嘘つきどもと」〜映画を愛する野郎ども

「大震災にはなんとか耐えたけど、コロナには勝てなかった…」幕開け早々のセリフがズシリと来る。福島・南相馬の名画座「朝日座」の閉館を決意した支配人・森田(柳家喬太郎)の前にいきなり現れたのは、茂木莉子(モギリ子)と名乗る若い女性(高畑充希)。この100年近く続く娯楽の空間を立て直しにやってきたと彼女は言うが…。

やがて話は時をさかのぼり、我々は女子高生の高畑充希をしばらく観ることになる。お〜い、映画館立て直しはどないなったんや、ほったらかしか〜い、などと言いたくなるその過去部分の長さが物語を立体的にし、あとからジワジワやってくる感動に大いなる貢献をする。莉子の高校時代の奔放な恩師・茉莉子役を大久保佳代子が好演。

映画好きであれば思わずニヤリとしてしまう数々の小ネタと同じ分量だけ、大震災そして原発事故10年後の福島のリアルも盛りこまれている。福島中央テレビ開局50周年記念作品ということで、どこか軽演劇の人情ものを思わせるやや脇の甘い終盤の展開と強引な着地は、実際にかの地で生活を続けるひとたちにはどう映るのだろう。

いまのはアドリブちゃうのとたびたび思わせる、高畑充希のイキのいいハジけっぷりに好感。そしてラスト近く、映画館のこれからを語る彼女が感極まって見せた涙は、けっして演技ではなくマジなものだと信じたい。映画と映画館が置かれた現状に、いまの福島をリアルに絡ませた作品。とにかく映画を愛するひと必見の一作だと思います。



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