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2021年09月07日17:00

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【今日の読了 拡大版】『FMステーション』とエアチェックの80年代/恩藏茂(河出文庫)

いきなり冒頭の3行に“FM雑誌およびエアチェックの全盛期は1970年代後半からのほぼ10年間”という記述。これはまさに私が日々最新チャートイン曲を必死でエアチェックしていた時期とぴったり重なる。関東・関西の違いはあるし、私は「FMレコパル」派だったけど、僭越ながら読者代表のような気分でページをめくった。

1981年創刊、最後発FM雑誌の元編集長だった著者は1949年生まれ。全体的に業界ノリのチャラい空気が漂う文章は、おそらくいまではすっかり音楽と縁遠くなってしまった、かってのFM好き少年が気軽に飛びつけるよう、あえて口あたりの良さを優先したからでは。ブラーの伝記翻訳をはじめ、著者の他作品はけっこうマニアックだし。

なので洋楽を中心に音楽をずっと聴いてきたひとにとっては、第1章をはじめ当時の音楽状況を延々と語る部分にはややいまさら感を味わうはず。そのぶんレンタルCDが普及、J-WAVEという名の黒船が襲来、エアチェックの時代が終焉を迎え、とうとう同誌に休刊の時が来る最終章の寂寞感には、大いなるシンパシーを抱くと思う。

そして著者には失礼ながら、巻末解説の曽我部恵一(1971年生まれ)が綴る、FMラジオおよびエアチェック体験に、心の底から共感できるひともやたらといるはず。こうやってわざわざ生年を書くのは、あのころの音楽体験というのは5歳差いや3歳の差でぜんぜん違ってくると思うから。とりあえずは最終章と解説文を立ち読みしてください。
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