フランク永井のCDが8月25日、新発売されます。日本ビクターが所蔵する貴重な音源を用いて、所属した歌手のオリジナル歌唱をシリーズで紹介している「日本の流行歌スターたち」シリーズです。この第8弾で、フランク永井の2枚目のCD「Vol.2有楽町で逢いましょう〜水のように〜フランク、日本の風景を歌う」が、新たに発売されます。これで、このシリーズは合計45枚になります。
日本ビクターは日本のレコード会社として最大大手です。抱えた歌手も圧倒的な数で、まさに日本のレコード界をリードしてきました。所蔵する音源は、時代の大きな流れの中ですべてデジタル化されていますが、当時流行した曲でも、その後CD等で発売されるのは少なく、歴史に埋もれてしまうものが多くありました。
実に残念です。この貴重な歴史的音源を「日本の流行歌スターたち」シリーズとして、厳選してCDで世に出すプランが実行され、続いているわけです。初期から紹介してきましたように、その第一弾がフランク永井でした。歌手としては40人程度が現在まで発売されています。藤本二三代など人気歌手については複数枚のアルバムが出ていますが、このシリーズはまだまだ過程にあると思われます。
この度は、ファンが待ちに待ったフランク永井の第2弾です。次の、22曲が入っています。CD紹介のサブタイトルにあるように、カバー曲も含まれています。日本の北から南までの「ご当地ソング」を集めています。
*はモノラルです。
01.知床旅情(1971:SJX-80「琵琶湖周航の歌」)
02.リラ冷えの街(1976:SV-6032B)
03.東北音頭(1966:SV-399B)
04.佐渡おけさ*(1961:LV-21「フランク民謡を歌う」)
05.沓掛子守唄(1966:SV-397B)
06.有楽町で逢いましょう(1973:CD4B-5041「CD-4によるビッグ・ヒット」)
07.東京ギター弾き*(1962:VS-843B)
08.東京ラブタイム(1964:SJV-77「ステレオ・ハイライト第3集」)
09.ムーンライト・イン横浜(1964:SV-94A)
10.清水港のいい男*(1961:VS-528B)
11.加茂川ブルース(1973:CD4B-5041「CD-4によるビッグ・ヒット」)
12.こいさんのラブ・コール(1973:CD4B-5041「CD-4によるビッグ・ヒット」)
13.水のように(共演:浪花千栄子セリフ)(1965:SV-323A)
14.大阪流し(1970:SV-2002A)
15.港神戸の夜霧の女(1964:SV-94B)
16.下松(くだまつ)囃子(1969:PRB-5042)
17.瀬戸の恋歌(1972:SJX-90「NHKあなたのメロディー」)
18.道後の女(ひと)(1967:SV-569A)
19.中洲の夜(1969:SV811A)
20.長崎の町でひとり(1963:SV-2325A)
21.五ッ木慕情*(1963:VS-935A)
22.おきなわ(1965:SV-307A)
注目は、Track16.「下松囃子」かも知れません。これ以外はすべて、フランク永井のシングル盤、あるいはLPアルバムに所蔵されているのですが、この「下松囃子」だけは、山口県下松市の方々はご存知かもしれません、他では初めて知った曲ではないでしょうか。
当「フランク永井あれこれ」では2016年に「フランク永井「下松囃子(くだまつはやし)」の再発見。プライベート盤の再考」で一度紹介しました。PRB-5042という盤IDがついています。市の観光局あるいは観光協会あたりからの要請で作成したPR盤、つまり宣伝用の私的盤なのではないかと思われていた曲です。
これが、この度のCD化で全国版になり、下松市民はおおいに歓迎されていることが察せられます。
「Track18.道後の女」は全国版ですが、地元では多数の別盤が出されました。この曲は、2006年にすべての開通にこぎつけた「しまなみ海道」の、計画発足時の支援歌です。このくだりは、当サイトの2018年「フランク永井「でっかい夢」。波乱万丈を背負った「でっかい橋=来島海峡大橋」を描いた南海放送「NEWS Ch4」」をご参照ください。
「Track8.東京ラブタイム」ですが、これはビクターさんの名づけルールを守られていないタイトル。ルールでは「ラブ・タイム」となるのだが、作詞家の意思(思い入れ)が強かったのでしょうか。このアルバムは今年紹介しましたが、ビクターからデジタル復刻されて、リリースされています。
「Track110.清水港のいい男」は、文四郎的には思い入れがあります。「フランク永井データブック」を編纂する過程で、この盤を求めていたのですが、どうにも現物が入手できずに、肝心の曲が聴けませんでした。ようやく聴けたのは2016年に発売された「懐かしのフランク永井 シングル全集」です。フランク永井のシングル曲で、これは聴かなきゃと思っていて、聴くまでいちばん長かった曲のひとつとして、今も忘れません。
いろいろと思い入れはありますが、最後に触れたいのは、この盤に「有楽町で逢いましょう」などのヒット曲が入っています。これは、第2集をお持ちの方でも貴重なのは、1973年に吹込みされた当時最新の音質を誇るものだからです。通常の2スピーカーのステレオ再生に、さらに2スピーカーを加えたプレーヤー、4チャンネルというのがあって、それ用に4つの出力を完全分離で収録するというものでした。
ただ、残念なことに、この方式は、当時急激にデジタル化でもCD化という、現在では批判も多い規格に集合していって、途絶えたという歴史を持つものです。盤はCD4Bの名で残されているので、当時のアナログ4チャンネル再生プレーヤを所有していれば、その音を楽しめるはずです。
「日本の流行歌スターたち」第8弾の発売を喜びたいと思います。
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