イジメやすそうなキャラだからたやすくドキュメンタリーにしたのかと最初は思った。そうでないのなら、安倍政権や小泉政権のときにはなぜこの手の作品が世に問われなかったのかと。いや、時の権力者をとらえた映像作品は過去いくつかあったと思うけど、今回は文化映画あふれる単館ミニシアターではなくいきなりシネコン発信なので。
マイケル・ムーアの影響も随所にちらつかせた政治ドキュメンタリー。同じような手法を駆使した「i 新聞記者ドキュメント」と同じプロデューサー、そこでも権力の側のターゲットになっていたのは、当時官房長官だった菅義偉。ひょっとしてあのイジり具合は、今回の作品を踏まえた観測気球だったのか、みたいなことも邪推した。
ところが今作を味わううち、この菅義偉というひとは、ひとことでとらえられないやっかいな存在だとわかってきた。国民が抱くイメージと周辺の政治家やマスコミが語る彼の実像の乖離。もし対象が安倍晋三や小泉純一郎だったら、それぞれの出自が明確ということもあるけれど、もっとストレートにくっきりと描けたように思った。
製作の側は、この権力者が想像以上の多面体を持つ存在であると知らしめるべく、この作品を国民に投じたのでは。後半は主人公の存在感が後退、かっての敗戦に至る報道姿勢まで引用して、政治のありかたや、いま日本という国が置かれている現状を概説、本当に言いたかったのはこの部分かも。まあとりあえず一度毒見してみてください。
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