俳優・佐藤二朗が原作・脚本・監督そして重要な役どころとして出演、閉塞感ただよう島に点在する「置屋」を舞台にした、男と女のどろどろした愛憎模様。店を仕切る凶暴な性格の哲雄(佐藤二朗)、彼に支配されるがままの使用人・得太(山田孝之)、そして心を病むその妹いぶき(仲里依紗)、狂気をはらんだいびつな関係が続く。
いかにも現代的なある社会問題をはさむことによって、物語にリアリティをもたらしてはいるものの、いまこの時代にまだこんな環境が存在しているのか、これは完全なる作りものの空間ではと思いたくなる、救いようのない閉鎖的な状況。店の従業員つまり遊女たちの、絶望の向こうからただよう人生開き直り感がおかしくも哀しい。
物語後半にはそれぞれの人間関係がおぼろげに見え始め、そこかしこに顔を出すユーモアにも救われて、とりあえずはその行くえを見守ろうという前向きな気持ちにさせられるけど、それまでの痛みと悲しみの連鎖には、嫌悪感を抱いて拒絶反応をしめすひともいるのでは。実際劇場では途中で席を立ったと思われるひともいたし。
娼婦の役をこなして初めて一人前の女優だなどという言い回しもあるけれど、そういう意味では女優陣の哀しさくらべが、この重苦しい作品の見どころのひとつになるかも。まあキャストを見て脱ぐ脱がないが最初からわかってしまいますが。どちらにしても、その鬱屈したエネルギーが観るひとを選んでしまう作品だということです。
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