数年前にはドキュメンタリー映画が公開、続いて東京での写真展が話題。ようやくこちらでもと思ったらコロナのせいでズレて結局ほぼ1年遅れの開催。1923年ピッツバーグ生まれのフォトグラファーというから、アンディ・ウォーホルと同郷で5つ年上、そしてどちらもニューヨークを舞台に活躍、どこかで交誼はあったのだろうか。
本格的な創作活動は1950年代から。時代がそうさせたのだろう、前半はモノクロそして後半はカラー写真が並ぶ。「ハーパース・バザー」などのモード雑誌向け商業作品がいくつかあるも、ほとんどがニューヨークの街角を行き交う市井の人々を被写体として、何気ないひとコマを切りとった、いわゆるスナップ写真がメイン。
ただしそのほとんどが、一面に広がる雨だれや陽光の反射をものともしないガラス越しだったり、けっこうな降雪が続く日の路上だったり、何かの隙間を通した視野の狭いものだったり、ストレートに被写体と対峙することはあまりなく、わざとアングルに気をてらったり、焦点をぼかして遠近感に凝ってみたり、けっこう技巧派な印象。
つまりシンプルに見えても一筋縄ではいかず、そのぶんこちら側の想像力が喚起されるということ。今回170点あまり、フォトだけにそれぞれが小さいうえ、会場もけっして広くなく、展示物によっては周囲が密になることしばし。とはいえ、これはまたニューヨークへ行きたくなってきたなあ…そんな気にもさせられた作品群でした。
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