こないだ散髪に行ったとき、そういえばひとと会うことをある程度制限されているいまこの時期は、床屋談義レベルの会話に飢えているなあと気がついた。家族とでもなく近しい知り合いとでもなく、何のしがらみもない一期一会の相手とのウダ話。ただ今回ばかりは髪を切ってくれたニーチャンがどうも口ベタだったようで。
ジャストミートしやすいようこちらは変化球を混ぜつつ各コーナーに球を投げ分けるのだが、それらをことごとくファールにされてしまうような感じ、きょうのところはもう黙っておくかと思ったところ、洗髪のさいその気持ちよさがクセになり、長いめかつ強めでとかならずお願いする丸ブラシの話になったとたん彼に火がついた。
この快感をふだんも味わいたく、ずいぶんと前から硬めや柔らかめ、さまざまな丸ブラシを東急ハンズやロフトときには理容品専門店で買い求め、洗髪のさい自分で頭皮を摩擦するもどうもしっくりこず、理容店で毎回得られる気持ち良さはまったくなし、各店何か門外不出の秘密兵器でも使っているのかなどと彼に問いかけてみた。
「やっぱり人にしてもらうから気持ちいいんとちゃいますか?」実に明確な答え、長年の疑問がスッと氷解。そうそう自分が手にした丸ブラシの強弱加減には限界あり、人に委ねてこそ得られる心地よさ。なぜいままで気がつかなかったのか、まさにジャストミートされた球がバックスクリーンまで飛んでいったような感覚でありました。
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