時代の波にほんろうされるヤクザたち…などと言うとどうしても激動の昭和、仁義なき世界を想起してしまうけど、ここで描かれるのは1999年・2005年・2019年、平成のなかばから令和にかけての3つの時代。父子の契りを交わすのが綾野剛と舘ひろし。代表作「新聞記者」とはまったく真逆の世界を描く監督・脚本は藤井道人。
過激な暴力表現もふくめ、いかにもな抗争模様が続く初めのふたつの時代。ヤクザを描く藤井監督、まずは合格点やなとやや高見の見物でスクリーンを眺めていた。ところが14年の月日を経て令和の時代まで進み、物語が救いがたい寂寞感に包まれていくあたりからは、がぜん興味が増してきて一気に前のめりになってしまった。
暴対法が施行されたところにネット社会が浸透、そして仕事や家族のありかたがすっかり変わってしまったイマの世の中、ヤクザの生きづらさという切り口を実に深く味わった印象。あとイマこの時代という意味では、今回注目の的である親分館ひろしの存在感、過去このポジションを演じてきた俳優はみな鬼籍に入ってしまったなと。
「新聞記者」で印象的だった内閣調査室の青みがかった不気味な色合いは、今回さらに効果を発揮。監督との相性がいいのか脇を固める北村有起哉は先輩記者に続いて一風変わったヤクザを好演。いやいやこの作品自体がかってないタイプの極道もの、タイトルでわざわざ家族を強調した意味はジワジワあとから効いてくると思います。
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