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2020年12月13日17:40

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「パリのどこかで、あなたと」〜出会える日を信じて

遠くにはモンマルトルの丘、眼下にはいくつもの線路が走るパリの下町。隣り合って建つアパートメントに”壁ふたつ”へだてて住むのは30代おひとり様の男と女。ふだん使いのお店も、通勤に利用する地下鉄の駅も同じなのに、ずっと見知らぬままなのが大都会の日常。それぞれが実生活に悩みを抱え、別々のセラピーに通う孤独と不安の日々。

ちょっとクサい邦題はもとより、勤務先がITがらみだったり、スマホのマッチングアプリが小道具として登場したり、ときおり流れる音はEDMだったりと、いかにもイマ風のチャラい雰囲気がただよう。そこへもってきてこの設定、これは”ふたりはどうやって出会うのか”という1点でずっとひっぱっていく、軽めのラブストーリーかと思いきや…。

そう、浅はかな思いだったのは観る側だったと、時間の経過とともにジワジワ感じてくる。ふたりの孤独や不安を揺さぶる、それぞれの職場の同僚やセラピストふたり、さらに食料品店の親父や一匹の猫…いかにもパリに居そうなキャラをちりばめただけと最初のうちは思わせた周辺の存在も、最後には納得の行く役割に転じて着地を見せる。

そして何をおいても鮮やかな幕切れ、そうそうフランス映画はやっぱりこうでないとという気持ちで満たされ、思わず唸ってしまう。監督はセドリック・クラピッシュ、そういえば主役のふたりは彼の前作「おかえり、ブルゴーニュへ」も出ていたなと。原題は「Deux Moi」、”ふたりの私”ってことか、でもいまは邦題も悪くないなと思ったりしている。

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