ひとり暮らしで足腰の弱い父親宅へは、こちら毎週火曜日に訪れているということがだんだんと周囲に知れ渡り、対外的な用件がこの日に集中するようになってきた。きょうもまずは銀行の訪問。ごく少額の外貨定期預金継続というささいな事務手続きだけなのに、支店長自らが担当者とともにわざわざやってきた。
いまさら新しい金融商品に興味はないし、そもそもウチは資産家でもない。何でまた支店長がわざわざお越しになるのかと訊いたら、老齢の顧客の場合は、どんな小さな取引でも支店長が同行しないといけないきまりがあるという。そしてご家族の同席も必須、無理な場合は電話越しにていろいろ確認いただくことになると。
そしてその対応は75歳以上と90歳以上で違ってくると。91歳の父親への処遇はどうなのか聞かなかったが、とにかく最近は老齢顧客とのトラブルが多いと。バブルの時期に大きなおカネを動かしていた世代が老齢の域に突入、かっての感覚のまま自らの資産を気ままにイジるもやがて銀行側との相違が…みたいに発生するという。
記憶力や判断力はとっくに減退しているのに、かってはブイブイ言わせていたという妙なプライドだけが残り、金額の多寡や言った言わないとかの厄介事が重なるということ。年齢をいくつ重ねようと、若いころと変わらないままのシャープな感覚で取引と対峙する“資産運用界の新庄”みたいな存在はあまりいないということですね。
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