日本のポピュラー音楽史を彩る名盤、とりわけいま世界的注目のシティ・ポップ音源を数多く生み出した、銀座にあるスタジオ「音響ハウス」にスポットを当てたドキュメンタリー。ギタリスト佐橋佳幸とエンジニア飯尾芳史が中心となってオリジナル楽曲を創り上げる過程をベースに、ゆかりのある人たちへのインタビューを挟んでいく。
著名なベテランミュージシャンが数多く登場するも、やっぱりここはふだん裏方のひとことで片付けられている音録り職人たちに注目。歴史あるスタジオだけにほとんどのかたが初老の域、レコード盤やCD盤の片隅にあるクレジットでよく見かけたお名前が次々と、ああこんな感じのかただったのかという思いに何度もかられる。
そんななかのおひとりとして「ポップス出前寄席」メンバーのかたが音響ハウスOBの面々とともに登場。実は私が初めて出前寄席に参加したとき、同じテーブルで会話を交わしたのがこのかた。かなり専門的な録音技術に関する話題をいきなり振られ、こちらあぜんとするばかりだったけど、いまにして思えば貴重なお話だったのかと。
ジャパニーズ・ポップス愛好家はもちろんのこと、ふだん楽器をいじっているひとや宅録趣味のあるひとは必見の一本。終盤あたりに“あなたにとっていい音とは?”という質問が各インタビュイーに浴びせられる。その答えが千差万別・十人十色で実に面白かった。たしかに永遠に答えの出ないテーマではありますね。
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