独身アラフォーOLのなにげない日常。主人公の川嶋佳子はもともとお笑いのじろう(シソンヌ)が舞台で演じていたキャラ。彼自身の手になる小説を映画化、監督は「勝手にふるえてろ」の大九明子。たしか彼女も最初はお笑い芸人を目指していたはず。原作者じろうが脚本を担当、ということで制作・配給は吉本興業。
佳子のモノローグによって平凡な日々が語られていく。スクリーンの片隅に日付が出ることによって、それが彼女が綴る日記の断片であるとわかる。一気に日付が跳ぶのは、その間の佳子にたいしたことが起きなかったことの証しだろう。と言いつつも、ある出会いによって無味乾燥だった彼女の日常は、すこしずつ色づき始める。
なにより佳子を演じるのが松雪泰子という点に興味が湧く。いままでの彼女はトガった役(「フラガール」のダンス教師!)あるいは非日常なキャラが多く、ここまで生活感にあふれ控えめな彼女はとても新鮮だ。そしてその相棒で職場の後輩OL若林ちゃん役・黒木華のハジケっぷり、彼女は何をやらせても器用にこなすなあと感服する。
お笑い芸人による脚本という先入観のせいか、日常拾ったあるあるネタを少しずつ並べたような印象もあり。小道具の巧みな使い方もふくめ、観る側が感情移入しやすいような演出は随所に。佳子あるいは若林ちゃんに共感しつつ夢と希望を抱くのか、それともキビシい現実に引き戻されるのか、物語の行末は観てのお楽しみということです。
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