母の三回忌、常徳寺の住職は透明のマウスシールドを着けてやってきた。そうか、読経のあいだはずっと仏壇に向き合っているからいいとしても、法話のさいには我々と直で対面。しかもウチの仏壇間は、あまり風通しがいいとは言えずしかも父親のベッドがその3分の1を占める和室六畳。そこで6名を相手に説くというかなり密な状況だし。
そう、法話は読経とならぶ大切な法事のプログラム。母の存命時はお盆の墓参りの前に針中野の常徳寺に集合し、法話を聴くというのが毎夏の習慣。例年ならお盆の3日間に6回設定して、お好きな回にお立ち寄りくださいというスタンスだったけど、ことしばかりはそうもいかないというのが主催者である住職のお言葉。
例年なら檀家のみなさんをキャパ40名の本堂に招いていたが、ことしは上限を15名に設定せざるを得ず、そのぶんトータル回数を増やしたと。さらに住職の兄上は九州のある大学の仏教学の教授、例年この時期は帰阪されて兄弟による法話そろい踏み。いつもたいそう面白いお話をされ、誰もみな大変楽しみにしていたのだが…。
なんとこの教授が大学のコロナ対策の責任者に任命されたらしく、帰阪はおろか春先からほとんど休みなしの激務が続いているとか。結局ことしは住職がすべての回をひとりで説くということに。これはけっこうキツいけど、その前にみなさん密を恐れてお越しにならないのでは、とまさに“コロナ憎けりゃ…”と気をもむ日々の様子でした。
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