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2020年07月25日17:30

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「アルプススタンドのはしの方」〜彼らの思いはどまんなか

母校が甲子園大会出場、強豪校が相手となった1回戦応援にアルプススタンドの端っこまでやってきた高校生男女4人。男子ひとりは元野球部員、女子ひとりはエースに恋をし、残る女子ふたりは野球オンチ。全国の高校で上演され続けている名作戯曲の映画化。舞台版に出演した主要キャストがそのまま顔をそろえる。監督は城定秀夫。

ロケは地方の小さな球場。観る側はそこが甲子園だとむりやり納得してイマどきの高校生を追う。カメラがとらえるのはほぼスタンドに座る4人だけ、あとはブラバン部員と球場内通路を少々。目の前でプレーする選手はいっさい映ることがなく、いまグラウンドで何が起きているかは、彼らのやりとりによってこちらが想像力を働かせるということ。

やりとりは試合の展開そのものから、やがてそれぞれの個人的状況を語り合う場に移っていく。彼らが日々抱える悩みや希望が、そこにいっさい登場しない野球部員たちのプレーと徐々にオーバーラップ、実にうまく練られた脚本だなあと思う。そしていつのまにか試合は1点ビハインドのまま、ついに9回最後の攻撃を迎えることに…。

舞台版を観たわけではないけれど、映像化ならではの新しい味はあまり加えられていないように思う。あとときおり顔を出す熱血先生をもうちょっと野球好き世代の典型キャラに仕立ててほしかったなと。ちょっと変化球なつくりだけど、彼らが青春の日々に賭ける思いはど真ん中のストレート、一風変わった野球映画の誕生と言っていいと思います。
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