13歳の少年アメッドは尊敬するイスラム指導者に洗脳され、次第に過激な思想に傾倒。いつのまにか学校の先生をイスラムの敵とみなすようになり、彼女を抹殺しようと企む…。「ある子供」「少年と自転車」のジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督・脚本。昨年のカンヌ映画祭で監督賞を受賞したベルギー=フランス作品。
次第に傾倒とは言うものの、アメッドはいきなり感化された状態で登場、洗脳のきっかけははっきりとしない。これはたぶんいったん過去にさかのぼるだろうという予感と、いやそのあたりはすでにセリフや画面に織り込まれていて、無宗教な日本人には掴めないのか(あるいは私だけの理解不足か)という思いを半ばさせながら観続けていく。
そう、アメッドの行動を終始カメラで追っていくような全体の造り、彼に感情移入して観るのが一番だとは思うけど、やっぱり宗教の壁みたいなものがどこかで邪魔をしているような。とはいえ彼を客観視するとこれはいささか単調に過ぎ、ひょっとしたらこの設定は世界全体にたいするイスラム社会の比喩なのかと裏読みまでしてしまう。
いわゆる“思春期もの”的な要素は多少なりともあり、チラシにも“少年の成長物語”という言葉があったけど、これって果たして成長なのかと思わせるエンディングがいかにもカンヌ映画祭的。この兄弟監督の作品で言えば前2作、「午後8時の訪問者」「サンドラの週末」のほうがずっとわかりやすかったなというのが正直な印象です。
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