ジム・ジャームッシュ監督最新作はホラーコメディ。アメリカの田舎町センターヴィル、この小さな町をゾンビの襲撃から守ろうとする警察官コンビにビル・マーレイとアダム・サンドラー。このおとぼけふたりがならんでたたずんでいるだけで、なにか奇妙なことが起きそうな、わくわくした感覚に包まれて物語はスタート。
ゾンビものにとどまらず、過去の映画作品からの小ネタがそこかしこに。こちらゾンビものと言えば、ズバリ「ゾンビ」と「カメラを止めるな!」ぐらいしか観ていないので、怪しげな町の空気感はデヴィッド・リンチ作品、ティルダ・スウィントンの怪演シーンはタランティーノ作品にたいする…などとイージーな解釈にとどまるのみ。
そのスウィントンやスティーヴ・ブシェミなどクセ者が顔をそろえるなか、今回もジャームッシュ作品の常連イギー・ポップとトム・ウェイツが出演。”ロック界のゾンビ”イギーはきっちりゾンビ役、あれってほとんどノーメイクでは。そしてトムに関して言えば、最後まであのキャラだとわからず。たぶんなんでわからへんのと言われそうだけど。
町全体がゾンビであふれかえっているというのに、警察官はじめ人間の側にはあまり緊張感なし。主題歌にまつわるくだりをはじめ、筒井康隆作品等でときおり登場するメタフィクション的(楽屋落ち的?)な技巧あり。とにかく細かいことを言わずこのユルさを楽しんだもの勝ちの104分、おそらく一番楽しんでいるのは出演者たちだろうし。
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