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2020年03月21日15:11

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フランク永井が歌った叙情歌LP「いのち短し恋せよ少女(おとめ)」など

 フランク永井は「魅惑の低音」をほしいままにした昭和歌謡の大歌手だが、恩師吉田正とともにその分野を切り開いた都会派ムード歌謡。このジャンルでの歌は数多く誰もがみとめるところなのだが、それを裏付けているのは歌唱力。
 その歌唱力は他の歌手のヒット曲を歌うカバーのうまさにあらわれるのだが、やはり曲の分野の広さをも誇ることになる。フランク永井の本道はおいておいても、横道の魅力についても紹介してみたい。今回は叙情歌。
 最初は写真のようなオムニバス盤のかたちで、1960年代初めから小出しに歌ってきた。民謡だったり、子供向けの歌だったり、時代的に流行したロシア民謡だったり。本格的にまとめたのは1966(S41)年の「あなたに贈る幼き日の歌」。
 曲目は下記の12曲で、全曲一ノ瀬義孝による。
  01_月の砂漠 02_叱られて 03_七つの子 04_あの町この町 05_浜千鳥
  06_赤い靴 07_赤とんぼ 08_砂山 09_カナリヤ 10_雨 11_故郷 12_花嫁人形
 叙情歌は日本語の歌詞にそのイントネーションと意味合いに合致して作られたメロディーが特徴。そして歌詞が人の素直な気持ちや花月風鳥とか自然の移り変わりの美しさを表現した、いわゆる普遍的なものが多い。
 結果として戦後の軍国主義とか思想とか失恋とか暴力とか、つまりフランク永井の得意とする失恋や別れとかのテーマには触れない。子供や女性にもやさしい。多くは小学校でもよく教えられた曲だ。だから一定の年齢の方々なら、たいてい知っている曲だ。
 さすがフランク永井の歌唱で、意外にも彼の歌声はこの分野でも十分に歓迎されるように思う。
 トラック10の「雨」は、このLPでしか聴けない貴重な曲。

 フランク永井のこの分野への大きな挑戦はもう一度ある。それは1973(S49)年に発売した「いのち短しこいせよ少女(おとめ)」である。恩師吉田正がもっとも敬愛する先輩としてあげた中山晋平の歌12曲を収めたものだ。全曲三保啓太郎が編曲している。
  01_ゴンドラの唄 02_さすらいの唄 03_山の唄 04_カチューシャの唄 
05_燃える御神火 06_旅人の唄 07_船頭小唄 08_鉾をおさめて 09_東京行進曲
10_波浮の港 11_曽根崎夜曲 12_砂山
 こちらも、聴けば情緒が伝わってくる。「燃える御神火」「旅人の唄」「鉾をおさめて」「東京行進曲」「曽根崎夜曲」はこの盤だけで楽しめるものだ。

 フランク永井がこの叙情歌の分野で他にも歌っているが、それを収めたのは1975S(50)年に歌手生活20周年として作られた10巻大全集の第8巻。
  01_ゴンドラの唄 02_カチューシャの唄 03_船頭小唄 04_波浮の港
  05_城ヶ島の雨 06_さすらいの唄 07_月の砂漠 08_叱られて 09_七つの子
  10_あの町この町 11_赤とんぼ 12_花嫁人形 13_砂山
 確かにダブりは多いが「城ヶ島の雨」はこの大全集で聴くことができる。

 ビクター・ファミリー・クラブという通信販売の事業体があり、そこから企画商品として「KVF-2301〜5-忘れ得ぬ歌・心の歌」(盤IDはメディアや発売元によってVFC-7101~〜、VFX-〜と異なる)が、1973年に出ている。内容はオムニバス形式でビクターが誇る歌手陣が歌っている。テープ版は100曲だがLP版は同じ10巻でも数十曲多い。ここでフランク永井「あの町子の町」「ゴンドラの唄」などすでに上記で紹介されているものの他に「琵琶湖周航の歌」を歌っている。
 「琵琶湖周航の歌」は1971(S46)年に同名のアルバムを出していて、そこに含まれてはいるが、この盤はカバー集。
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