人類が開発した優秀な装置が勝手に進化、人間社会に逆襲するという設定には、斬新性や新奇性がほとんどなく、むしろSFパニックもの周辺では古典的というかスタンダードの部類に入るもの。ただ今回はそこにAIという、まだ我々もわかっているようでわかっていない対象を引用したところに新鮮味があるのかなと。まあ先にやったもん勝ちという部分もあるかも。
10年後の近未来。たしかにイマの日本社会における諸問題を踏まえて、これからのディケイドに起こりそうな事象を巧くとらえてあり、いくつかのセリフに散りばめられたリアリティには多少なりとも気持ちが重くなる。ただAIご本尊を始め、最新装置のほうにはやたら既視感を感じてしまった。まあ21世紀の未来なんて舞台は、いままでイヤというほど何度も観てきたし。
ワルい奴はすぐにわかってしまうし、ツッコミどころはいくらでも。国家スケールの話に家族愛をまぶせるお約束ごともきっちり。何より主人公の桐生(大沢たかお)がスーパーマンすぎて、これだったらたしかにどんなAIよりも優れているなあとちょっとシラけてしまう。せっかく個性的な俳優を周辺に配しているのだから、もっと集団頭脳作戦を堪能したかったなあと思う。
ベテラン刑事合田役に三浦友和。近未来社会にはるかな距離を感じる昭和(ひょっとしたら平成も)の人間は、彼に感情移入できるよう配慮された役柄なのかも。もっとアナログに針が振れてもいいキャラだと思ったけど、2030年ともなればあの程度でも昔気質ということなんだろう。エンドロールで主題歌を高らかに歌うシンガーが…これは見事なオチでした。
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