優れたドキュメンタリー作品を次々と世に問う東海テレビ。今回はその矛先を彼ら自身に向け、テレビの現場を通してテレビのありかたを探っていく。なのでツカミではいきなり取材対象の中心である報道部に突入、「何撮ってんだ!」の怒号がカメラに向かって飛び、観る側はこのクラインの壷的設定、ヤジ馬気分も重なりいやがおうでも期待感がふくらんでいく。
報道部全体をとらえているようでありながら、長らく夕方のニュースを担当する若手アナウンサー、あくまでジャーナリズムというものにこだわり続けるアウトロー的契約社員、そして派遣社員として中途採用されたアイドルおたくの若手社員、物語は次第にこの3名を軸にして進んでいく。実際エンドロールでは出演者としてこの3名の名前しか流れない。
タイトルに期待しすぎたのかもしれないが、メディアとしてのテレビの行く末、つまり“さよなら”の部分があまり描かれておらず、いわば”テレビ局員奮闘記”に終始したような印象あり。これって案外メビウスの輪、東海テレビの宣伝になってしまってるのではと思った。やっぱりふだんは鋭い光を放つ刃も、いざ矛先が自らに向くと鈍くなってしまうということだろうか。
テレビ局の使命のひとつに、社会的弱者に目を向けることというくだりがある。上記出演者3名はいわばテレビ局(報道部)という組織における弱者なのだ。この作品完成にあたっては局員対象の検閲的試写があったというから、ひょっとしてカットされたのかもしれないけど、彼らを叱咤していた側の強者つまり中間管理職連中の声をもっと聞きたかったように思った。
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