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2019年11月22日15:30

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「わたしは光をにぎっている」〜はじめに下町ありき

早くに両親を亡くした澪(松本穂香)は、育ての親である祖母の入院を機に上京。亡き父のつてでたどり着いた居候先は、葛飾区立石のさびれた商店街にある銭湯。ようやく彼女が都会の生活になじみ始めたころ、京成本線駅前再開発により商店街が区間整理の対象となっていることを知る。監督・脚本は平成生まれの若手中川龍太郎。銭湯の主人役に光石研。

日本映画x若手監督が得意とするリリカルな作品。主人公は朴訥であり、時間はゆったりと流れ、風や水の音が聞こえる静寂が優先される。その前提にふさわしく、主演・松本穂香は多少イライラさせるほどのホンワカした女性を演じている。そのたたずまいにのん(能年玲奈)に似た空気を感じるのはNHK朝ドラあるいは「この世界の片隅に」つながりのせいか。

まずはじめに下町ありき。駅前再開発によって昭和の商店街がすっかり消えてなくなるから、貴重な映像を残しておく意味も兼ねて、この町を舞台にして一本映画を撮っておかないか、という思いからすべてが出発したような印象。なので主人公澪自身のドラマはあくまでも後付けのような感触が残ったのだけどどうだろう。その絡ませかたにところどころムリを感じたりも。

とはいえ、ラストシーンにはそんな印象を一瞬でくつがえす鋭い切れ味が。すぐさまいま売り出し中カネコアヤノの楽曲「光の方へ」が流れる。終始リリカルな空気が漂う本編からすれば、やや唐突な感じのある弾けた歌唱だけど、いやいやこの曲だからこそ明日への希望が見えてくるのだと物語の続きに思いを馳せる…そんなエンディングに思わずしみじみしてしまいました。
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