ウチの父親は1970年代と80年代の始め、2度にわたって計8年、“ビルマのラングーン“に単身で駐在していた。私もついて行きたかったけど、教育環境がおそろしく遅れているという理由で却下された。当時の日本人小学校は1年から6年まで20数人が、そろってひとつのクラスで学んでいたのだ。まあどちらにしてもミャンマーは父親にとっての第二の故郷みたいなものだ。
なのできのう父親宅を訪れたさい、「今夜ヤンゴンで日本とミャンマーのサッカーの試合があり、テレビ中継もある」とポロっと言った途端、緑内障の疑いのある父親の目が急に輝き出した。ふだんサッカーなどにはまったく興味のない父親だが、それがミャンマーで一番人気のあるスポーツであることは、駐在時のリアルな皮膚感覚でわかっていたのだろう。
私自身もあまりサッカーに詳しいほうではないが、父親を納得させるぐらいの知識はある。まずはW杯予選のしくみから説明するうち、こちらもいろいろ興味湧いてきて、スマホ検索にも頼るようになった。するとFIFAランクにおいてこの両国のあいだにほぼ100もの国が並んでいることや、ミャンマーの中心選手はタイのリーグで活躍していることがわかった。
「9時から10チャン(読売テレビ)〜〜」私が宅を辞するとき、父親はお経を唱えるように何度も繰り返していた。私は阪神の試合が終わってからチャンネルを変えたので、前半の得点シーンには間に合わなかったが、最近はどんな番組を見ていてもかならず途中で舟を漕ぐ父親、はたして昨夜はしっかりと90分フルタイム試合につきあえたのだろうか。こんど訊いておきます。
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