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2019年07月08日16:45

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世界遺産はお隣さん

私が卒業した府立高校の学区は、近鉄南大阪線沿線すなわち南河内。必然的に友人は松原・藤井寺・羽曳野・富田林といった町の住民が多い。そう、当時の友人たちの住まいは、まさに古市古墳群と同じように南河内各地に点在していた。なので彼らにとって古墳の存在はごくごく日常的なもの、いまさら世界遺産と言われてもピンとこないのがふつうだと思う。

まして古墳群は観光地化されているわけでもなく、ご近所の一角でこんもりした緑に囲まれて静かにたたずむ存在。けっしてはるばる遠くから多くのひとたちが物見遊山にやってくる場所にあらず、すくなくともいまのところは。そもそも世界遺産という言葉の響きからは、もっと非日常で壮大かつ荘厳な存在というイメージを感じると思いませんか。

そういえば五木寛之の小説には、この古墳群から二上・葛城・金剛の山並み、さらに奈良の飛鳥あたりまでを舞台にしたものがいくつかあって、たいてい魅力的なヒロインが登場、このエリアをやたらと神秘的なものとして持ち上げる。そんな描写を読みながらいつも「そんなヒロインどこにもおらんわ、ただのガラの悪いイナカやし」と思っていたんだけど。

今回のことを機に、各自治体は古墳群の観光地化を狙っているようだけど、そんなにうまくいかないと誰よりもわかっているのが地元民だと思う。よく考えれば古墳というのは個人のお墓。ふつう住居のそばに墓地があるとどことなく不気味に感じるけれど、古墳にたいしては誰も気にしていない(守り神とも思っていない)。まあそれだけごくふつうに共存しているということです。
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