灘区民ホールでのライブまでにはまだ一時間ばかりあったので、どこかでお茶でもしようと思ってホールのひとに訊くと、すぐ近くにはないけどちょっと歩いた先の「水道筋商店街」には何軒かあるはずだと。なんとかアーケードまでたどりつくもお茶するところがなかなかない。さらにしばらく歩いてようやく見つけたのは「パンジー」という名の喫茶店。
ドアを開けたとたんギョッとたじろぐ。ほぼすべての席を占めた10名超の来客、そしてお店を切り盛りする女性たち、誰もみなまちがいなく70代以上のお年寄りばかりだったのだ。最初は何かの集まりで貸し切り状態なのかと思ったら、そうではなく三々五々集まってきた様子、男性は2名ほどいたが女性陣に押されたのか奥のほうで小さくなっていた。
「ひさびさに若い男がきよったのう、ケケケ」みたいな視線を感じながらとりあえず一番入口に近い席に座る。冷コー330円をオーダー、ついでにスポーツ新聞はないかと訊く。すると「どれしましょう?」と、お店のひとは客室乗務員の機内サービスのように各紙を扇状にならべて持ってきた。この80代と思われるおばあちゃん、かってはスチュワーデスだったりして。
冷コーは最初から甘みが入ったものだった。フレッシュはもちろんスジャータ。正直美味しいとは言えないが、甘さがノドにひっかるような懐かしい味。かってはどこの喫茶店でも冷コーといえばこんな感じだった。そしてお邪魔していたあいだ店内に流れていたのは演歌ばかり。いまどきハヤリのJ-POPが流れるカフェも少ないのに。令和元年いきなり昭和にタイムスリップ。
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