角田光代の同名恋愛小説を映画化。あいまいな態度ばかりを見せるマモルにたいする、アラサー独身OLテルコの一途な愛。テルコには最近のNHK朝ドラに出ていたらしい岸井ゆきの、マモルには成田凌。テルコの親友葉子役で元・乃木坂46の深川麻衣が新鮮な魅力。江口のりこ・筒井真理子・片岡礼子といかにもな個性派女優たちが脇を固めている。監督は今泉力哉。
テルコとマモルの距離感に煮え切らないものを感じ、この物語はいったいどこに着地するのかと、前半部分はややイライラ。さほど美人でもないところに持ってきて、やや自意識過剰なモノローグばかりをつぶやくテルコ。いかにもイマ時女性の感情移入を狙ったかのようなイケてない女子キャラ設定に(その山田という凡庸な苗字にさえも)、ちょっとあざとさを感じたりもした。
ところがふたりの周辺にいる男女のキャラがクッキリと立ち始めた後半になると、それぞれが織りなす感情の交じわり具合(つまり何角関係ということ)がとても興味深くなり、スクリーンから目が離せなくなってくる。おそらく原作小説にあるフレーズをそのまま引用したのだと思うけど、セリフのひとつひとつがとても生き生きしたリアルなものに聞こえてくる。
煮え切らなさが続く前半で、物語の結末を3通りばかり予想してみたんだけど、結局そのどれにも当てはまらない幕切れ。男と女の間はそう簡単に割り切れるものではないという結論よりも、むしろテルコに一杯食わされた感じ。ネット等では片思い中の女子におすすめなどとあるが、そこのところはちょっとどうか、かえってつのる思いが複雑になるかもなんてことを思いました。
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