城南海(きずきみなみ)。鹿児島県奄美市出身の若い実力派歌手。昨年9月に番組「昭和の名曲」で「君恋し」をエドアルドと歌った。
彼女については若いゆえに筆者はうといのだが、テレビ番組「THEカラオケ・バトル」は観て知っていた。驚くべきことにここで百点を3度もたたき出したうえに、10週連続チャンピオンになった。この記憶は消えない。
ともかく歌がうまい。うまい歌い手がカラオケで満点を取るというのは、評価するのがソフトウエア的な機械である(かどうかは知る由もないが)ゆえにそうとう難しいのだが、これをやってのけたのに目を見張った。
つまり、彼女の歌のうまさが半端じゃない、機械をまでも感動させるレベルにあるということ。そして、みていていつも感心するのは、歌っているときの彼女の顔の表現であろう。その世界に入り切っている。
すべてを自分がイメージした世界に投げうち、こころから没頭して歌の世界を表現している。このうっとりが観ているものを嫌味なく惹きつける。
「君恋し」はブラジル出身の若き演歌歌手だ。彼と一緒に歌ったのだが、やはり城南海の歌に惹かれる。それにしても、城南海という漢字とよみのニュアンスは妙に一致しているのだが、初めて漢字を見た人は普通に読めないだろう。
番組で歌ってと言われて歌ったのだろうが、ちゃんとアルバムでカバーとして録音しているのだろうか。まだなら、機会をみてぜひ出してほしいと思う。
このブログでも「君恋し」テーマは何度も繰り返しているので、フレッシュなことは何もないのだが、それでももう少し触れてみたい。
フランク永井がこれを歌って日本レコード大賞を得たのだが、リバイバル作品。最初は二村定一をはじめ何人かが歌ったもの。大正の末期に佐々江華が作詞作曲したものが最初。二村らが浅草の舞台で気に入ってよく歌っていたもの。
当時ビクターは外国資本であまり邦楽には関心がなかったようだが、二村が昭和2年に吹き込み昭和3年の年明けの新譜として発売。これがよく売れ日本の音楽のレコードを次つぎとだすようになった。
二村の吹き込んだ歌詞は時雨音羽が新たに作った。編曲井田一郎。これがフランク永井の元歌になるのだが、フランク永井のは彼自身のジャズ風のアイデアから三番をやめて、サビの箇所を繰り返すようになっている。
「君恋し」のカバーは多数の歌手がカバーしているが、二村の原曲版かフランク永井の現代版かに分かれる。美空ひばり、石原裕次郎、小林旭などのカバーは原曲版で歌っている。レコード会社による版権が影響しているのかもしれない。
さて、二村がレコード化したといったが、実はこの歌自身が日活、松竹、マキノ・プロダクション、河合映画作社等6社の競作映画の主題歌として歌ったもので、二村のは日活映画のほうの主題歌。
実はこの昭和29=1929年に日本の映画「君恋し」4作(上記の映画会社以外の2社の作品は完成したのかどうか不明)の他に、米国映画「君恋し」(原題:The Man I Love)が上映されているのだ。
日活映画は原作野村雅延で、三枝源次郎監督作品。ポスターは写真のとおりだが、「一字書き娘系図」改題。小唄映画(現代劇) と説明されている。そして、製作国:太秦と。太秦は国なんだ。。。
そして、二村のものと思えるビクターの当時の歌詞票の絵(いくつもの種の版がある)が、何とも進んでいて?!なかなかだ。
ログインしてコメントを確認・投稿する