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2019年03月09日15:10

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「ROMA/ローマ」〜家族愛は一日にしてならず

今回のアカデミー賞で10部門にノミネート、外国語映画賞・監督賞・撮影賞を受賞したメキシコ・アメリカ作品。イオンシネマ系列で独占劇場公開。1970年代初頭のメキシコが舞台、社会のうねりにさらされる先住民族出身の若い家政婦と彼女が働く医師一家の物語。幼少期の体験を基にしたという監督は「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン。

全編モノクロ。この物語のキーアイテムというべきある対象物が、オープニングロールをはじめ姿かたちを変えて随所に。本来モノクロでは表現しにくいはずの対象が実に美しく撮られている。そして当時のメキシコの街並み、とりわけ病院や映画館など公共物の造型が興味深く、政治的混乱をふくめた物語の背景〜メキシコ現代史に詳しければもっと面白く味わえたのにと思う。

そう、タイトルの意味というか由来(最後までわからずあとから調べてわかった)もふくめ、当時の複雑なメキシコ社会を物語っているのか、冒頭に「スペイン語と英語には字幕、(先住民族の)ミシュテカ語にはカッコ付き、その他の言語には字幕なし」というただし書きあり。たしかに他の言語もいくつか聞こえ、わずかながら日本語も耳にするがこれはまあご愛嬌。

家政婦クレアを演じたヤリッツア・アパリシオはオーディションで選ばれ映画初出演。先住民族の特性かそれとも家政婦という立場のせいか、ほとんど感情を表に出さない女性を淡々と演じていて実に愛おしい。弱者そして家族をじっくりと描き、観る側の想像力に委ねる部分が多いという意味では、オスカーを争った「万引き家族」と表裏一体を成す作品だと思います。


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