フランク永井が歌った「君恋し」。レコードは1961(S36)年の発売。この時期はすでに78回転のSPは終え、EP時代に移行していた。ただステレオになる前で、盤IDがVS-537(VSシリーズはまもなく、ステレオのSVになる)。
「君恋し」はその年末、日本レコード大賞を獲得する。どうも録音はステレオでなされたともいわれているが、あくまで「君恋し」のこの版はモノラルである。
「君恋し」はフランク永井の代表曲で、この名をタイトルにしたLP版がその後多数でている。リバイバルブームのときだったので、懐かしの曲をカバーしたものが多い。
異色なのはイタリアの有名なトランぺッター、ニニ・ロッソとNHK紅白歌合戦で共演したのをきっかけに作った「君恋し〜ニニ・ロッソと唄う」であろう。紅白出演の翌年、イタリアで録音した。
全曲がトランペットの演奏がついていて、ジャズの編曲がなされている。「君恋し」は前田憲男の編曲。大半が彼の手で編曲されていて、独特のムードが楽しめる。
奏でるリズムに乗るフランク永井は、場所がイタリアという異国にいることから、明らかに異次元の感覚を伴って歌ったような気が伝わる。
「君恋し」だけではないが、フランク永井は別のLPでも同名の曲を吹き込んでいるが、ここでの曲は別の味わいがある。(このLPはビクターヒット賞。ビクターから正式にCD復刻発売された。2005年)
「君恋し」は1977S(52)年暮れのNHKビッグショー「酒・女・そして…」に出演して、近藤進編曲でも歌っている。これは生の演奏ということもあるが、憂いに満ちていて、こころを揺るがす。オリジナルの寺岡真三編曲は世を驚かせたが、それほどの味がある。
さて「君恋し」がヒットすると、映画化が実現する。「君恋し」は、大正の末期から昭和初期にかけて、佐々紅華作詞作曲で二村定一が歌って大人気をえたもの。1928年に時雨音羽作詞でビクターがレコード化した。このときに、当然だが映画化されている。
資料では1929年「一字書き娘系図」改題「君恋し」。小唄映画(現代劇)三枝源次郎監督。製作国:太秦とある(?!)。うずまさは京都だから日本じゃないの。
フランク永井のにあわせた映画は日活がモノクロで1時間弱のもの。森永健次郎監督。日活のキャッチは「魅力の低音、胸をふるわす哀愁、堂々日本レコード大賞に輝いたフランク・永井“君恋し”の映画化」とうたって宣伝した。フランク永井自身も「流しの高井」として出演した。
残念ながらDVD化発売はされていないようだ。君恋しだから物語はそう驚くことのない恋模様。
ポスターは、写真のように大判は2種類あって相違はフランク永井が出ているかどうかだ。珍しいのではないかというポスターは右の横版でフランク永井はでていない。
今日もポスターを眺め、好きなレコードを聴いてフランク永井を楽しむのであった。
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