人類で初めて月面に降り立った宇宙飛行士ニール・アームストロングが主人公。感情をあらわにせず、常に自己抑制の効いた人間と言われた彼の目を通して、1960年代のアメリカにおける宇宙開発プロジェクト、ジェミニ計画からアポロ計画までを描いていく。監督デイミアン・チャゼル、主演ニール役にライアン・ゴズリングという「ラ・ラ・ランド」コンビ。
遠い宇宙の彼方から青い地球を眺めた人間は、誰しも思索的・哲学的になると言われるけど、もともとその資質を持つニールの抑制された部分がこの作品全体にも反映され、とても静かで叙情的な匂いを持ったまま物語は淡々と進む。なので宇宙ものの専売特許であるスケールの大きさやダイナミズムを求めると、ちょっと退屈に感じるのではないかと思う。
そのぶんニールの妻ジャネット(クレア・フォイ〜これからが楽しみな注目の女優!)の、勝気ながらも夫に寄り添うすがたが物語のアクセントとなって強い存在感。そして圧巻だったのはクライマックスというべきニールが月に一歩をしるす場面。光と影と音が巧みに織りなす演出には圧倒され、その感動は静かなラストカットが余韻をもたらす瞬間までずっと持続していた。
この偉業は当時の小学生男子にとって大きなインパクト、ニールはじめこの三飛行士はちょっとしたヒーローだった記憶あり。そう、我々にとってアームストロングといえばサッチモなんかではなく絶対的にニールだったのです(もちろんランスでもなく)。そういえば「こちらアポロ」という漫画も読んだなと記憶が巡った今回の作品、観たのはきっちり「アポロシネマ」でした。
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